中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。


バッハやヴィヴァルディ

 前回の話の通り、入学して2、3ヶ月くらいはただギターを弾くだけで、聴くのもギターのものだけだったのですが、夏くらいからはギター以外のクラシック音楽も聴くようになりました。ギター部の仲間には、ギターはあまり弾いたことがないが、一般のクラシック音楽やジャズなどに詳しい人も結構いて、彼らから「なんでそんなにギター弾けるのにいろいろ音楽聴かないの」と不思議がられました。彼らにはバッハやヴィヴァルディ、モーツアルト、ベートーベン、ショパンなどを聴かせてもらいましたが、それらのほとんどは初めて聴く曲ばかり。ヴィヴァルディの「四季」はその頃ブームになっていて、イ・ムジチ合奏団の「四季」は、クラシック・レコードの売り上げではそれまでの「運命、未完成」を抜いて第1位になっていましたが、私はその時初めて聴きました。バッハなどというのは中学校の音楽室の肖像画くらいでしか知りませんでした。ジョン・コルトレーンとかオスカー・ピーターソンなどのジャズも聴かせてもらいましたが、そちらの方はあまり馴染めないまま終わって(?)しまいました。


英語の授業で

 また一年生の教養部の英語の授業ではサリバン著の「ベートーヴェン」がテキストに使われました。この本は熱烈にベートーヴェンの音楽を讃えたもので、「ベートーベンの音楽はすべてが有機的に結びつき、苦悩、闘争、勝利、そして全人類へ向けての賛歌である」といったような内容だったと思います。音楽というのは聴いて耳ざわりが良ければよいというものではなく、その中に作曲家の思想や人生観が込められたものだということでした。その本の中でベートーヴェンの後期の弦楽四重奏は最高の音楽であると書いあったので、そのレコード(第15番)を買って聴いてみましたが、その時は重苦しい音楽であること以上のことは分かりませんでした(今では結構好きな曲になっています)。


FM放送

 またこの頃からFM放送でクラシックの音楽番組も聴くようになりましたが、最初のうちは知らない曲がほとんどでした。前述の英語の授業で出てきた「英雄」もその時はどんな曲だかわかりませんでしたが、FM放送で初めて聴きました、確かに英雄が馬に乗って走っているような感じかなと思いました(それはあの有名な肖像画のせいかもしれません)。またある時、なんかいい曲だなと思って、その曲(結構長かったが)が終わったあとのアナウンスを聴いてみると「ブルックナーの交響曲第何番」といっていて、この時ブルックナーなどという作曲家を始めて知りました。いい曲のような気がするけど、やたら長いなというのが感想でした。


卒業するまでには

 多少はギター以外の音楽も聴くようになったとはいえ、ギターはもちろんその後も弾きまくっていて、下宿で、部室で、練習場(例の3号館)で、と若干授業に出る以外は相変わらずギターを弾いていました。9月頃イエペスの「ゴールデン・アルバム」という2枚組のレコードを買いましたが、これは当時の感覚からすると、タイトルどおり超豪華なレコードで、レコード屋さんに何度も足を運んで、やっと決心して買ったものです。買ってから何度も繰り返して聴いたのは言うまでもありません。そのレコードには楽譜が付いており(当時はこういったものがよくありました)、その中でアルベニスの「朱色の塔」が気に入って若干弾いてみたのですが、当時は全く歯が立たず、なんとか大学を卒業するまでには、この曲が軽く弾けるようになりたいと思ったものでした。結局卒業するまでには間に合いませんでしたが、一応今は弾いています、軽くではないですが。


指揮者をめざして

 その年の12月には、ギター部の最大の行事である定期演奏会が行われて、私達1年生も全体合奏として4、5曲ほど合奏に加わりました。この定期演奏会へ向けての練習をしてゆく中で、私はぜひ指揮をしてみたいと思うようになりました。定期演奏会で指揮台に立つ先輩の姿はとてもすばらしいものに見え、ぜひ私もその場に立ってみたいと思いました。それ以来、私は指揮者になるための準備を始めました。

 指揮者になるためには、ギターが弾けるだけではなく、音楽一般の深い知識や、理解力が必要だと思い、まず和声法の勉強を始めました。最初は音楽の友社から出ていた「ギター基礎講座」を使いましたが、それだけでは不十分なので、一般の音大などで使われるようなテキストも使いました。指揮法は、小澤征爾の師でもある斉藤秀雄氏の「指揮法教程」を使いました。このテキストではいわゆる「叩き」を重要視しているので、「音の出」を合わせなければならないギター合奏にはたいへん向いていると思いました。ただ、部屋で一人で指揮の練習しているところを他の人に見られたりすると、ちょっとアブナイ人と思われてしまいそうです。
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