中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。


新入生の指導

 年度が替わり2年生になると、新たに入った新入部員の指導が始まります。1年前とは逆に今度は教える立場ですが、これは私にとってたいへん勉強になりました。教えるということは自分の考えなどがまとまっていないといけません。漠然とした考えをちゃんと整理するのは最適な機会でした。またその新入生がうまく出来ない時、なぜそれが出来ないのかと一緒に考えるのは、たいへん良い経験になりました。それは直接今の仕事につながっています。でも少し熱心にやりすぎて、新入生には嫌われていたでしょう。


初めての独奏

 この年の定期演奏会(1970年11月)では独奏を行いました。曲目は、出来ればあまり弾かれない曲で、なおかつ好感度が高く、また難しすぎないものというので、ムソルグスキーの「展覧会の絵」から「古城」にしました。これはセゴビアのレコードを聴いて(実際にはレコードを買わずに、店頭で試聴しただけ)決めたのですが、結果的には当時の私の実力に合っていた曲だったと思います。その年の定期演奏会は茨城県民文化センターの大ホールで行われ、入場者数約1200人という、おそらく茨城大学クラシック・ギター部の定期演奏会の歴史の中で、最高の入りだったと思います。私自身にとっても最初のステージが、生涯の中で最も大観衆のステージとなりました。おっと、まだ私の生涯は終わっていませんが、この先もこのような大観衆の前でギターを弾くことはないでしょう。


体が宙を浮いて・・・・

 初めての大ステージでの独奏で、もちろん相当緊張しましたが、その緊張が良い方に働いたのか、練習を含めて、その時がもっともよい演奏が出来たと思いました。その曲の演奏が進むにつれて、今日の演奏は最高だと感じ、最後の和音を弾く時は、演奏が終わってしまうのがとても残念に思いました(最近は全く反対ですが)。また自分の演奏を多くの人が聴いて、楽しんでくれているということも夢のようでした。

 演奏会が終わってからもその興奮はなかなか醒めず、その後一週間くらいは体が宙を浮いていうるような感じでした。道を歩いていても、いつも見ている景色がなにか光輝いてい見えました。その後いろいろ自信をなくしたり、失望したり、苦しいことなどがたくさんあっても、なんとか今現在までギターをやっているのは、この時の興奮がまだ少し残っているせいかも知れません。


指揮者として

 定期演奏会が終わると役員改正があり、その時念願叶い指揮者に選ばれました。前述のとおり、この時までには基本的なことは一応勉強し終えて、合奏でやる曲の選曲と編曲ということになりますが、まず選んだのがレスピギー作曲「古代の舞曲とアリア第3組曲」から「シシリアーナ」で、オーケストラ曲ですが、もともとリュート曲なのでギターにはよく合う曲だと思いました。因みにこの曲は、リュート奏者の”つのだたかし”氏が、かつてカゴメのコマーシャルでも弾いていて、現在私の教室の教材にもなっています(「コレンタ」として)。オーケストラ・スコアからギター合奏用に編曲するのはこの時が始めての経験でした。

 次にヴィヴァルディの「協奏曲イ短調Op.3-6」で、これもオーケストラ・スコアからアレンジしました。他にバッハの2声のインベンション、アルベニスの「グラナダ」、ヘンデルの「サラバンド」、バッハのブーレ、ソルのグラン・ソロなど、すべて自分でアレンジしました。もちろんそのアレンジについては、未熟な点はたくさんあり、不満の残る結果となってしまった曲もありましたが、私自身にとっては、たいへん貴重な経験となり、これらの作業を通して、さらに音楽の基礎が学べたと思います。

 指揮をするということは、音楽的なことだけでなく、他のメンバーとの意志の疎通がなければなりません。私は当時は(今も?)人付き合いが下手で、お世辞にも部員の気持ちを掌握していたなどとは言えず、常に自分一人の考えで突っ走っていたようなところもあり、他の部員にいろいろ迷惑をかけたことが多々あったとのではないかと思います。


                  アンサンブル 002


            1971年の定期演奏会。左端指揮をしているのが私(20歳) 
               この頃はまだ足台を使っていなかった。


 この年は、なんといっても指揮者として定期演奏会全体のプランから選曲、編曲、合奏練習の取りまとめ、さらに下級生や新入生の基礎の指導、そして演奏会当日は合奏の指揮と独奏と大忙しでした。しかし毎日たいへん充実した日を送っていた気がします。全力投球の毎日でしたが、それはとても楽しい日々でした。指揮者として迎えたこの年の定期演奏会は前年のものとはまた違った感動で、合奏の楽しさや、多くの仲間と演奏会をやることの楽しさ、またそれを多くの人に聴いてもらえる楽しさなどを十分味わえたと思います。独奏ではバッハのチェロ組曲第3番のブーレを弾きましたが、記憶の不安から途中で弾き直しをしてしまいました。弾きなおしの後はそれなりに弾けた感じはありましたが、この経験から、これ以後暗譜の仕方をいろいろ工夫し、それ以後はそうしたことはあまりなくなりました。


                   アンサンブル 001


              独奏(バッハ:チェロ組曲第3番「ブーレ」
        独奏の時は足台を使っていたが、かなり前傾姿勢になっている。楽器は富田修
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