中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。


5月11日(日)に石岡市のギター文化館で「中村俊三 ギター・ミニ・コンサート」を行います。

演奏曲目は以下のとおりです。


   pm.2:00~  ルネサンス時代の音楽

作者不詳 : イタリアーナ、 曲名不詳の小品

ロンカルリ : パサカリア

作者不詳 : アリア

チェザレ・ネグリ : 白い花

作者不詳 : ダンツァ

作者不詳 : ガリアルダ

作者不詳 : カンション

ビンチェンツォ・ガリレイ : サルタレッロ

イギリス民謡~カッティング編 : グリーン・スリーブス



     pm.4:00~ J.S.バッハの作品

アンダンテ~無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番より

ガヴォット~リュート組曲第4番より

主よ、人の望みの喜びよ~カンタータ第147番より

ガヴォット~無伴奏チェロ組曲第6番より

シャコンヌ~無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より



 2:00~ はルネサンス時代(16世紀)の主にイタリアのリュート曲の演奏です。最初のイタリアーナと曲名不詳の小品は20世紀前半頃のイタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギが弦楽合奏曲=「リュートのための古代の舞曲とアリア第3組曲」に編曲したものをもとにギターに編曲したものです(「私のギター修行」でも触れましたが)。イタリアーナは現代ギター誌に掲載されていたもの、曲名不詳の小品は私自身の編曲です。

 2曲とも原曲の譜面、あるいは原曲から直接現代譜に直したものが存在するとは思われますが、不勉強ながら私自身はよくわかりません。「曲名不詳の小品」はもともとの譜面には曲名が書かれておらず、レスピーギは「シシリアーナ」としていますが、曲の内容と合わないということで「コレンタ」としている譜面もあります(私の教材ではそうしています)。いずれにしてもはっきりとした根拠がないので、ここでは「曲名不詳の小品」としました。曲名がはっきりしないながらもこの「曲名不詳の小品」はたいへん有名で、おそらくほとんどの人は聞き覚えがあるのではないかと思います。かつてリュート奏者の「つのだたかし」さんが、カゴメのコマーシャルで弾いていました。


 ロンカルリの「パサカリア」も同様に「リュートのための古代の舞曲とアリア第3組曲」に含まれる曲ですが、実はこの曲、リュートの曲でもルネサンス時代の曲でもなく、17世紀のバロック・ギターの曲です。厳密に考えればこの曲がこの組曲の中に入るのは不自然なのですが、当時(20世紀前半)はそのあたりはアバウトだったのでしょう、何と言ってもこのような曲を知っている人はほとんどいなかったわけですから。というわけで、このコンサートでもタイトルとは矛盾しますが、カタイことは抜きでこの曲も演奏します。

 次の「アリア」~「サルタレッロ」の6曲はセゴビアが「リュートのための6つの小品」として演奏していたものです。もともとはそれぞれ特に関係のない別個の曲でしたが、音楽学者のキレソッティが現代譜に直した時に、この組み合わせにしたようです。今日演奏する譜面はそのセゴビアなどが演奏していたものとは若干異なり、阿部保夫、恭士編によるもので、比較的原曲に忠実なものと考えられます。「サルタレッロ」の作曲者としてビンチェンツォ・ガリレイの名を書き入れておきましたが、これもあまりはっきりとはしていないようです。ビンチェンツォ・ガリレイはガリレオ・ガリレイの叔父にあたるそうで、リュート奏者だったのは確かなようです。またガリレオ自身もリュートを弾いたそうです。

 グリーン・スリブスはこの時代から有名な曲で、リュートでもよく演奏されていたようです。ただしメロディなどは特に確定していなくて、低音部、つまり和声進行が決まっていただけのようです。今日演奏するのは現在、ギターでよく演奏される形のもので、16世紀のイギリスのリュート奏者フランシス・カッティングのものをもとに、イギリスの現代のギタリスト兼リューティストのジュリアン・ブリームが編曲したものです。

 ルネサンス時代の音楽は曲名などはあまり馴染みのないものが多いですが、たいへん親しみやすい曲が多いと思います。もっとも当時の声楽などはたいへん複雑で高度なものになっていて、その声楽を模したリュート曲などはやはり高度な音楽なのですが、今日演奏する曲はシンプルでとても馴染みやすい曲だと思います。ぜひ聴いてみて下さい。なお後半のバッハの曲についてはまた後日解説させていただきます。
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コメント
リュートのための古代の舞曲とアリア第3組曲
はじめまして。

Italianaに関してはPaul O'Dette氏のCD、Ancient Airs and Dances (helios)に解説があります。該当部分を移してみます。

The Italiana, which begins the third suite is a bit of a mystery. Clearly a galliard, it
contains only one eight-bar strain with its repeat. The following piece, which is lacking its title in the manuscript, Includes the first two strains of Santino Garsi da Parma's popular galliard La Cesarina. It is missing its final strain. Perhaps the compiler of the manuscript
intended the Italiana to serve as the first strain of La Cesarina, thus providing the full galliard form.

作者不詳の小品のほうは Spagnoletta であると記していますね。
 Paul O'dette氏の講習会に参加したときレスピーギのこれらの曲に関していろいろと興味深い話も聞いたのですが、機会があれば。
2008/05/03(土) 12:42:32 | URL | 犬耳 #KS.X.cK.[ 編集]
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