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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

中村俊三 新春コンサート 曲目解説

  1月20日(日) 14:00 ひたちなか市アコラ



アウグスティン・バリオス : 大聖堂

 Ⅰ プレリュード(郷愁)
 Ⅱ 敬虔なアンダンテ
 Ⅲ 荘重なアレグロ




トリは人気の名曲で

 コンサートの最後はバリオスの大聖堂です。 この曲はクラシック・ギターにおいては今や押しも押されもしない名曲中の名曲といえるでしょう。

 対象をクラシック・ギター愛好家に絞れば、その人気は 「アランブラの想い出」 以上とも言え、コンサートを締める、いわゆる ”トリ” としてふさわしい曲と思います。



プレリュードは後から追加された

 この曲は上記のように3つの楽章で構成されますが、当初はⅡとⅢのみの形で作曲され、バリオス自身もその二つの楽章で録音しています(初期のSP盤なので音質はかなり悪い)。

 Ⅰのプレリュードは別に作曲された曲だそうですが、晩年にバリオス自身で、このプレリュードが大聖堂(二つの楽章の)によく合うということで、組み合わされました。

 最近ではこの曲はほとんどの場合、この3楽章の形で演奏されますが、1960年代頃はバリオスの録音のように2楽章で演奏されることが多かったようです。

 たいへん美しい響きのプレリュード、趣のあるアンダンテ、華麗なアレグロと、この3つの楽章の組み合わせはまとまりも良く、聴きごたえ十分で、やはりベストな組み合わせでしょう。

 しかし何といっても最後のアレグロを華麗に演奏するのはたいへん難しいところでしょう。




小説「マチネの終り」にも登場する

 大聖堂といえば、しばらく前に紹介した天才ギタリスト蒔野聡史を主人公とした平野啓一郎の小説 「マチネの終りに」 に登場します。

 その小説の中で、蒔野聡史はステージ上でこの曲のアレグロの後半で、行き先がわからなくなってしまい、立ち往生してします。 



まさに悪夢

 好きな女性の事が頭をよぎってということですが、私たち音楽をやるものにとっては、これはまさに悪夢で、想像するだけで大変恐ろしいことです。

 実際に私もステージ上で頭が真っ白になって、全くその先が弾けなくなる夢を時々見ます。 本当にうなされる感じですが、目が覚めて、今のは夢だったと思うと、本当にほっとします。 でも心臓はパクパクしてたりなんかして・・・・・

 場合によっては具体的に譜面上のどこのところでわからなくなった、なんてことをはっきり記憶している場合もあります。

 もちろんそんな時には夜中でも起きて譜面を確認します。

 幸にも、少なくともこれまではリアルなステージでは経験はありません。




くわばら、くわばら

 でもブラック・ホールというか無重力状態というか(全く正反対のものだが)、そんな状態におちいる可能性はいつでもあるので、今回そんなことにならなければ・・・・・・・    

 くわばら、くわばら・・・・・    まあ、特に好きな女性はいないので大丈夫か・・・・・
 
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