中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<ジョン・ウィリアムス コロンビア録音全集 4>

John Williams More Virtuoso Music for Guitar   



IMG_2016080701130643e.jpg


収録曲

ムダーラ : ファンタジア(ハープを模したる)、 クラロス伯爵のディファレンシャス
ロイスナー : パドゥアナ
プレトリウス : バレー、 ヴォルタ
バッハ : プレリュード、フーガ、アレグロ
ジュリアーニ : アレグロ・スピリット(ソナタハ長調より)
ヴィラ=ロボス : 前奏曲第4番、 第2番
モレーノ・トロバ : ラ・マンチャの歌

1964年 10月録音




1964年にLP4枚分を録音

 原盤では <John Williams More Virtuoso Music for Guitar> と言うタイトルになっていて、2枚目のLP(パガニーニの大ソナタなどが入っている)の続編といったところです。 ウィリアムスは1964年にこれまでの4枚のLPを録音したことになります。 リリースされた年をみると1964年から1枚ずつ発売されたようで、この4枚目のLPは1967年の発売のようです。



国内盤と同じデザイン

 このLPはレコード屋さんの店頭で見ましたが、やはり残念ながら購入することは出来ず、しばらくしてからギター部の後輩から借りてダビングして聴いていました。 国内盤のタイトルなどは覚えていませんが、少なくともジャケットのデザインなどはほとんど同じだったように思います。



この時点で、広範囲のクラシック・ギターのレパートリーを持っていた

 このLPもなかか魅力的なもので、ルネサンス時代の作品から近代に至るまでの作品が収められています。 ウィリアムスが、この時点でたいへん広いクラシック・ギターのレパートリーを、すでに持っていたことがわかります。



ルネサンスもよいがバッハはさらに

 キレの良いルネサンスものも素晴らしいですが、何といってもバッハの「プレリュード、フーガ、アレグロ」 は圧巻です。 前述の「リュート組曲第4番」 同様、透明感のある美しい演奏で、胸のすくような荘快感がります。 

 今現在では多くのギタリスト(アマチュアの含めて)がこの曲を演奏していますが、当時はまだ、あまり演奏されなかったように思います。 この演奏はその後、この曲の演奏の一つの基準にもなったのではと思います。 



久々に聴いたジョンのラマンチャ

 「ラマンチャの歌」もたいへんすばらしく、ウィリアムスは他に「ノクトゥルーノ」、「マドローニョス」などのモレーノ・トロバの曲を録音していますが、どれも素晴らしいものです。 さらにもっとトロバの作品を録音してほしかったところですが、後で述べるようにウィリアムスは後年、こうした一般的なクラシック・ギターの作品をあまり演奏しなくなります。

 このLPの収録曲は、ほとんどCD化されてなく、最近ではあまり聴くことができなくなり、今回久々に聴けてたいへん嬉しく思っています。 ・・・・・やはり 「ラマンチャの歌」 はいい!  このLPだけでも、このボックスを購入する意味がある!





Joaquin Rodrigo  
Fantasia para un gentihombre

Stephen Dodgson
Concerto for Guitar and Chamber Orchestra


IMG_0001_2016080701552311d.jpg


収録曲
ロドリーゴ : ある貴神のための幻想曲
ドッジソン : ギター協奏曲第1番 

 録音 1967年7月



以前にも紹介したが

 5枚目のLPはロドリーゴとドッジソンのギター協奏曲ですが、このLPは以前5枚組のCDボックスでも発売されていて、何年か前に、当ブログでも紹介しています。 「ある貴神」のほうは以前にも触れた通り、比較的早い時期に、3枚目のLPに収録されたオーマディとの「アランフェス」と組み合わされて再発され、いわゆる「ゴールデン・カップリング」としてウィリアムスのLPでも売れ筋となりました。


「ある貴神」はアランフェスとカップリングされて売れ筋となったが、ドッジソンのほうは

 しかし、その結果それぞれのB面にあたる、テデスコとドッジソンの協奏曲は埋もれてしまうことになりました。 ドッジソンはウィリアムスと個人的にも親しい作曲家のようですが、その後この曲を演奏したギタリストはあまりいないようで、作品のほうも埋もれてしまったようです。







Joseph Hydn
Quartet for Lute ,Violin,viola,and Cello in E majar

Nicolo Paganini
Tertto for Violin,Cello,and Guitar in D major


IMG_0002_2016080702144231e.jpg


収録曲

ハイドン : リュート四重奏曲ホ長調
パガニーニ : ギター三重奏曲ニ長調   録音 1967年7月




相当シブイ選曲

 どちらもかなりシブい選曲です。 ハイドンのほうは、ハイドンの弦楽四重奏曲作品2-2を、同時代のリューティストが編曲したもので、ほぼ第1ヴァイオリンをリュートに当てています。 リューティストのミハエル・シェハーなども録音していますが、最近ではあまり聴かれなくなりました。  原曲ではメヌエットが二つあり、5楽章の形となっていますが、ウィリアムスは二つ目のメヌエットを省略しています。 



地味な伴奏でも存在感は十分

 パガニーニのギター四重奏曲などの室内楽はかなりたくさん残されていることは以前にも書きましたが、ギター・パートがあまり目立たないせいか、著名なギタリスト演奏するのはたいへん稀です。 この曲は三重奏なのでそれだけギターのウエイトはやや高くなりますが、それでもほぼ伴奏に終止しています。

 その伴奏でもしっかりと存在感をしっかりと出しているのが、ウィリアムスらしいところでしょう。  ウィリアムスの後年では、こうした曲(古典で、ギターが主でない曲)を録音することは考えにくく、ある意味、たいへん貴重な録音だと思います。



パガニーニの曲は比較的好んだ

 一般的なクラシック・ギターのレパートリーをあまり多く録音しなかったウィリアムスですが、このパガニーニは好みに合っているようで、この曲の他、前に紹介した「大ソナタイ長調」、 「カプリース第24番」、 さらにパールマンとのデュオでLP1枚分録音しています。 少なくともソルやタレガよりも多く録音しています。

ジョン・ウィリアムス コロンビア録音全集  3


Two Favorite Gitar Concertos   



IMG_20160730005733fff.jpg

 

ロドリーゴ : アランフェス協奏曲
テデスコ : ギター協奏曲第1番ニ長調

フィラデルフィア管弦楽団  指揮 ユージン・オーマンディ
 
録音 1965年12月




トップ・アーティストとの共演

 ウィリアムスのコロンビア・レーヴェル3枚目のLPは上記の2大協奏曲です。 ユージン・オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団は、当時コロンビアのドル箱的なオーケストラと言え、こうしたアーティストとの共演は、ウィリアムスがこの歳にして、まさに破格の扱いを受けていたことを証明するものでしょう。



オリジナルのLPが店頭に出ていた期間は短かった

 実は、私はこのLPをみたことも聴いたこともなく、LPジャケットもこの再現ジャケットで初めて見ます。 当時でもこのLPはあまり長期にわたってはレコード店の店頭には飾られていなかったと思います。

 というのも2年後のウィリアムスはロドリーゴの「ある貴紳のための幻想曲」とドッジソンの協奏曲を録音します。 そしてかなり早い時期に「アランフェス」と、この「ある貴紳」をカップリングして発売され、このオリジナル盤のほうは早い時期に廃盤となっしまったようです。



特にテデスコの協奏曲は市場から消えた

 その結果、B面(LPにはA面とB面がある)のテデスコの協奏曲のほうは市場には出回らなくなってしまいました。 「アランフェス」のほうはLP時代には何回か再発され(私はその中の一つを持っていた)、確かに多くの愛好者に聴かれていましたが、 ウィリアムスは75年と84年に再録したこともあって、長い間CD化はされなかったようです。 と言った訳で、この2曲とも、CDではこれまでなかなか聴くことの出来なかったもので、今回入手出来てとても喜んでいます。 



粗削りかも知れないが、後の再録にひけをとらない

 このアランフェスは評論家などによっては、後の録音に比べ、「若気の至り」 的な評価もありますが、私個人的には、3種類のうち、最も好きな演奏です。 この勢いとか、キレのよさ、とかでは後の演奏では聴けないものがあります。 また、オーマンディのオーケストラも華麗で、とても面白い、こんな演奏あってもよいのではと思います。 

 ともかく、今回、この2曲の録音を十分に楽しめました。 テデスコの方も、後(77年)に再録していますが、やはりこちらの方が面白い、ウィリアムスはテデスコの音楽によく合っているのではと思います。 ただ、ウィリアムスはこの曲以外のテデスコの曲は録音していません。



この時点でウィリアムスは若き巨匠として完成されていた

 それにしても、ウィリアムスはこの20代前半ですでに技術的にも、音楽的にも完成してしまっているようです。 その後多少は経年変化するものの、基本的なところではほとんど変わらないように思います。 晩年になって技術などが衰えたりもしませんでしたが、逆に円熟して若い頃とは全然違った音楽をやると言ったこともない。



ウィリアムスはギター界の江川卓か?

 天才と言うものは、たいてい若い頃に完成するものですが、ウィリアムスなど、その典型でしょう。 野球で言えば、高校時代に怪物と言われ、その後大学、プロ野球でもエースとして活躍したが、高校時代こそがピークだったのでは、とも言われる、元ジャイアンツの江川投手といったところでしょうか。



G20160328012296900_view.jpg
ジョン・ウィリアムスはギター界の江川卓か



高校時代、江川卓投手の投げたボールはバットに当たらなかった

 江川卓選手のことを知ったのは学生時代で、当時は自分でテレビを持っていなかったので、新聞で読んだ程度でした。 県予選などでは完封が当たり前で、複数の試合でノーヒット・ノーランだったのではないかと思います。 県予選では得点どころか、ヒットも打たれなかったと記憶しています。 と言うよりバットに当たらなかった。

 甲子園大会などの放送は食堂のテレビで見ましたが、江川投手の投げたボールは放物線を描かず、直線のままキャッチャーのミットに収まる感じでした。 甲子園でも江川投手のボールは、やはりほとんどバットに触れることはなく、たまに当たっても飛ぶのはファウル・ゾーンといった感じでした。 ともかく、他の高校野球のピッチャーとは全くの別次元だったと思います。

 法政大学を経てプロに入ってからも、調子の良い時にはほとんどヒットは打たれず、完封は当たり前といった時期もありました(その期間は非常に短かったが)。 「江川が投げる時には野球が速く終わる」 などと言われていました。



当時スピード・ガン表示はなかったが

 当時の高校野球ではスピード表示はなかったので、高校時代にはどれくらいの速さだったかはわかりませんが、江川投手がロ野球に入ってからはスピードが表示されるようになり、その数字では最高でも148キロくらいだったと思います。 現在のプロ野球では150キロを超すボールを投げるピッチャーは珍しくなく、ご存じのとおり、大谷投手は160キロ超のボールを投げます。

 今と当時ではスピードの表示の仕方が違うのかも知れませんが、現在ではこれくらいの球速だと、わりと普通のピッチャーとなります。 高校時代にはさらに速いボールを投げていたという可能性もありますが、でもおそらく江川投手のボールは数字的には大谷投手ほど速くなかったのではないかと思います。



理想的な大谷選手のフォームに比べると

 大谷投手は長身で柔軟な体を巧みに使い、足の先から指先にいたるまでしならせ、まさに理想的な美しいフォームで投げます。 それに比べると、江川投手のフォームはちょっと変わっています。 全身の力を使うというより、肩から腕にかけてだけのコンパクトなフォームで、ひょいと投げるような感じです。



バッターの予測を裏切る

 このフォームだと普通はそんなに速いボールは投げられないのではないかと思いますが、江川投手のボールはその投げ方のせいで、 打者からみると、実際よりもずっと速く感じるのではないかと思います。 つまり打者から見ると予想よりもボールが速く手元に来てしまう感じになるのでしょう。



何の話だったかな?

 でもやはりこのフォームはいろいろなところに過度のストレスをかけてしまうのでしょうね、江川投手の選手寿命が比較的短かったことと、この投球フォームはある程度関係があるのでしょう。     ・・・・・・あれ、なんの話だったかな? そうだ、ウィリアムスの最初のアランフェスの話でしたね。  完璧に脱線しましたね、ま、今日はこれくらいにしておきましょう。


<ジョン・ウィリアムス コロンビア録音全集  2>


Colombia Records presents John Williams   1964年5月録音




IMG_201607131750253e4.jpg
オリジナルLPのジャケット。 日本国内盤はおそらく違うデザインだったかも。 また何回か再発の度にデザインが異なったと思う。



収録曲
バッハ : リュート組曲第4番ホ長調
アルベニス : セビージャ
タレガ : アランブラの想い出
トゥリーナ : ソレアレス、 ラファガ
リョベット : アメリアの遺言
ポンセ : スケルツィーノ・メヒカーノ
サグレラス : 蜂雀



コロンビア録音第1弾

 ジョン・ウィリアムスは1950年代、つまり10代から録音していますが、それらは当時日本国内では発売されておらず、実質的に私たちが聴くことができたのは、このコロンビア録音のものです。 このLPは、そのコロンビア録音の第1弾で、オリジナルLPでは上記のように <Colombia Records presents John Williams>と題されていましたが、日本国内では<アルハンブラ宮殿の想い出>と言ったタイトルでCBSソニーから発売されていました。

 1964年、ウィリアムス23才の時の録音ですが、当時我が国の多くのギター関係者は、このLPによってジョン・ウィリアムスという若いギタリストのことを知ったのではないかと思います。 「セゴヴィアの愛弟子、ギター界のプリンス」 といったように紹介されていました。

 

このLPは持っていなかった

 私自身は残念ながらこのLPを購入していませんでしたが、その理由としては私がLPを買うようになったのは1969年以降ですが、その時にはこのLPは発売から年数も経ち、レコード店には並んでいなかったこと(当時は取り寄せなど思いも及ばなかった)、さらに何といってもLPは高価で、現在の新譜のCDと同じく2000円前後していました。 現在の価値にすれば1万円以上に当たるでしょう。さらに当時の私は大学生で、そう簡単に手が出せるものでもありませんでした。

 このLPとウィリアムスの存在を知ったのは、ギター部の先輩に聴かせてもらったことによってで、バッハの新鮮な演奏(曲も始めて聴いた)に、先輩に話に応えもせず、ただただ聴き入った記憶があります。 その後、一部の曲を除いては再発LP、またはCDなどで聴きました。



バッハは久々に聴いて感動

 このLPこ後半のスペインものなどはCDでも聴いていましたが、バッハの「リュート組曲第4番」は、後にバッハリュート曲全集を録音した関係で、CDとしては市場に出されていなかったようで、本当にしばらくぶりに聴きました。 たいへんクリヤーな音と演奏で改めて魅了されました。 

 ウィリアムスはこの当時からすでに完璧な技術をもっていましたが、それでも後の1975年の録音に比べると、気持ち若さを感じさせる部分もあります。 そうしたところが、かえって魅力に感じられます。



まさに新しい時代を感じさせる演奏だった

 この時代には、味のある、個性的なギタリストはたくさんいましたが、このようにクリヤーで透明感のある演奏というのはあまり聴かれず、やはり画期的な演奏で、まさに新しい時代を感じさせる演奏だったと思います。 

  






Virtuoso Music for Guitar 1964年5月録音


IMG_0001_201607151319438b3.jpg
コロンビア録音第2弾  国内盤のタイトルは <ジョン・ウィリアムス ギター名曲集> 


収録曲
パガニーニ : 大ソナタイ長調(全3楽章)
グラナドス : スペイン舞曲第5番
ジラ=ロボス : 練習曲第8番
ファリャ : ドビュッシー讃歌
ダッジソン : パルティータ第1番
テデスコ : ヴィーヴォ・エネルジコ(ソナタに長調より)




コロンビア録音 ~第2弾


 このLPは1964年5月録音となっていて、1枚目のLPとほぼ同時期に録音されたようです。 パガニーニの「大ソナタ」が全曲録音されているのが特徴で、このLPを友人からテープにダビングさせてもらい(このLPも買えなかった)、何度も繰り返して聴いた記憶があります。



パガニーニのソナタ全曲演奏

 私が30代の頃、この曲を譜面を取り寄せ、なんとか弾こうと思ったのですが、その当時は全然歯が立たず、なんとか弾くようになったのはほんの数年前です(”弾けるようになった” かどうかはわからない?)。 

 このソナタの第2楽章の 「ロマンス」 は教材としてもよく用いられ、一般愛好者などにも当時からよく演奏されいました。 また第3楽章の「アンダンティーノ・バリヤート」はポンセの編曲でセゴヴィアが弾いていました。 しかし全3楽章演奏というのはこの当時あまりなかったのではと思います。




おそらく世界初録音

 ジュリアン・ブリームもこの曲を全曲録音していますが、1970録音なので、ウィリアムスのほうが6年早いということになり、おそらく全曲録音としては、このウィリアムスは初めてなのではと思います(そうしたことは特に謳っていないが)。

 この演奏はウィリアムス自身の編曲と思われますが、オリジナルのギター・パートに若干ヴァイオリンの音を載せた編曲で、華麗な演奏ですが、第2楽章はたっぷりと歌わせ、やはり魅力的な録音です。



その箇所くると、思わず身構えてしまう

 余談ではありますが、私がかつてダビングさせてもらった国内盤LPでは、最後の「ヴィヴォ・エネルジコ」に回転ムラのようなトラブルがあったのですが、このCDには全くその影はありません、そのLPだけのトラブルだったのかも知れません。 これもすごい演奏なのですが、あまりにも何回もこの演奏を聴いたので、そのトラブル箇所に来ると、思わず身構えてしまいます。 若い頃は同じLPなどを何回も繰り返して聴いたので、”ビリつき” やキズなどの箇所まですっかりと覚えてしまったものです。







  
ジョン・ウィリアムス  コロンビア録音全集 58CD&DVD(1964~2006)



CIMG0626.jpg
今年の3月に発売された、ジョン・ウィリアムス コロンビア録音アルバムのボックス



通常価格は3万円前後だが

 ジョン・ウィリアムスのコロンビア・レーヴェル録音の全集が今年3月に発売されました。 金額も”それなり”なので、ちょっと迷いましたが、ははり必要なものかなと思い、取り寄せました。

 通常価格では3万円前後ですが、オン・ラインでマルチ・バイの形では16,000円ほどとなりました。 他に3点買う必要がありますが、まあ、費用効果は高いのではと思います。 こういったものはいつでも買えるものでもなく、絶版になってしまうこともよくあります。



CIMG0627.jpg



1964年~2006年の録音

 ウィリアムスは20歳前後に別のレーヴェルでも録音していますが、主要な録音としては、このコロンビア・レーヴェルといってよいでしょう。 なお日本での販売はソニー系となっています。

 ウィリアムスは1941年の4月、オーストラリア生まれということで、私よりちょうど10歳上で今現在75歳となります。 コロンビアでの録音は1964年、つまり23才から始められています。 最後の録音としては2006年のようで、今現在も健在ではありますが、演奏、録音などの活動はしていません。  ・・・・・・引退にはまだちょっと早いと思うが。



CIMG0628.jpg




本当に欲しいのは59枚中、数枚程度

 ウィリアムスの主要な録音、特に70年代以降の独奏の録音は、すでにほとんど持っており、60年代のものもセレクトされたCDなどは持っています。 ウィリアムスには独奏以外に他の音楽家との(ポピュラー系の音楽家も多い)コラボレーション企画の録音も多数あります。 そういったもののほとんどは持っていませんが、私個人としては、なくても特に困りません。

 そう言った訳で、このボックス58CD+DVDのうち、本当に欲しいものはせいぜい数枚程度しかないのも事実です。 そんなところも買うかどうか迷った理由です。 でも逆に言えば、その数枚はぜひとも欲しいもので、オリジナルの形を保った状態でCD化され、再発されないかと期待していたものです。




CIMG0629.jpg
オリジナルのジャケット・デザインによる紙ケース入り。 これは結構うれしい!



当時そのLPが欲しくても買えなかった

 私がウィリアムスを知ったのは大学に入ってから、つまり1970年頃からです。 当時はLPの価格が2000円前後と、現在のCDの価格とほぼ同じです。 物価の違いを考慮すれば、現在の価値として1万円以上にはあたるでしょう。 さらに当時の私は大学生でしたから、1枚のLPを買うのに、この58枚組のボックスを買う何倍もの決心が必要でした。

 そんなわけで、ウィリアムスの60年代のLPはほしくてもなかなか買えず、先輩に下宿などに行って聴かせてもらったり、また70年代半ば頃からはオープン・デッキやカセット・デッキでダビングさせてもらって聴いていました。




人気曲でないコアな曲は埋もれてしまった

 また80年代以降にはそれらのLPがCD化されて発売されましたが、そのほとんどの場合、人気曲だけを集めたセレクト盤で、オリジナルの形ではCD化されず、最近まで全く聴けなくなってしまった曲も多数ありました。 そうした曲ほどぜひまた聴いてみたいと思うものです。



次回より詳しく

 今回、このようにそうした曲を何十年ぶりかで、あるいは初めて聴いて、ちょっと感激です。 前置きが長くなりましたが、次回からこれらのCD。あるいはLPについて何回かに分けて書いてゆきます。 またちょっと長くなるかな・・・・・
シルビウス・レオポルド・ヴァイス : リュート協奏曲集

5声の協奏曲ハ長調SC.90
協奏曲ニ短調SC.58
リュートとフルートのための協奏曲ヘ長調SC.9
合奏協奏曲変ロ長調SC.57
協奏曲ヘ長調SC.53
リュートとフルートのための協奏曲変ロ長調SC.6

 リュート : Richard Stone
Tempesta di Mare
2004年録音 Chaconne



IMG_201505021455406e3.jpg



ヴァイスは協奏曲も作曲していたようだ

 またヴァイスのCDですが、最近ではヴァイスに関するCDがいろいろ市場に出回って、情報が増えてきました。 ヴァイスのリュート独奏のための組曲が、少なくとも100曲以上あるとか、ヴァイスは代々伝わるリューテストの家系に生まれ、ヴァイス(シルビウス・レオポルド)以外の一族の作品も数多く残されているとか、 リュート独奏作品だけでなくリュートとフルートとのための作品、 リュートを含む室内楽、 リュートと弦楽のための 協奏曲なども作曲していたなど、最近知りました。



リュートのパート譜しか残されていない

 しかしその協奏曲やフルートとの二重奏などはリュートのパート譜しか残されていなくて、前回のCDのフルートとの二重奏曲のフルート・パート、今回の協奏曲の弦楽パートはリュートのパート譜をもとに現代の音楽家などが再現したものです。



当時のドレスデン宮廷にはバッハがうらやむほど優れた音楽家たちが集まっていた

 ヴァイスがその生涯の後半の仕事場はドレスデンの宮廷だそうですが、そのドレスデンびは当時優れた音楽家たちが集まっていました。 その中にフリードリヒ大王のフルート教師を務めるヨハン・ヨアヒム・クヴァンツがおり、その関係でリュートとフルートのための作品が生まれたのでしょう。

 J.S.バッハは当時ライプチヒでカントールを務めていましたが、出来ればドレスデンで仕事がしたかったようです。 バッハはヴァイスとも親交がり、お互いに行き来していたようで、ヴァイスの作品をフルートとチェンバロのための曲に編曲しています。 ヴァイスにはバッハも一目置いていたようです。



ヴィヴァルディの協奏曲のようにシンプルではない

 さて、このCDには弦楽、及びフルートなどとの協奏曲が収められていますが、前述のとおり、弦楽パートなどは残されてなく、現代の音楽家によって後から再現されたものです。 同時代のリュート協奏曲といえば、まずアントン・ヴィヴァルディのもが思い出されます。

 ヴィヴァルディの協奏曲のリュート・パートは単旋律的で、単純明快なものですが、ヴァイスのリュート・パートは基本的に独奏曲と変らず、やや複雑なものです。 その結果(録音の仕方にもよるが)ヴィヴァルディの曲のように明快とは行かず、ちょっと”もごもご”した感じがあります。



イタリア風に仕上がっている?

 リュートのソロ・パートは基本的に独奏曲とあまり変わらないのですが、再現された弦楽パートはなんとなくヴィヴァルディやアルビノーニのようなイタリア風の協奏曲の感じに聴こえます。 おそらく再現の際にそうした作品を参考にしたのでしょう。 

 この再現がヴァイスのオリジナルとどれくらい近いのかはわかりませんが、いずれにしてもちょっと不思議な感じに聴こえます。    ・・・・・・でもやはりヴァイスを聴くなら独奏曲でいいかな・・・・